轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
ああ小母ちゃんよ、と思いますね。あなたへのよろしくにしても、そのうちにこめられる心持は、目白時代よりは複雑なのがわかります。彼女も妻の心がわかりかかっているのですものね。そういうところも可愛らしく思われました。結婚式を十二社で(新宿の先の)やったのですって。東京での、よ。そのとき私を招ぼうとしてすっかり仕度していて、お久さんの発議でやめたのですって。来て貰うのも気の毒と。それを話して大笑い。だって急にそんなこと云われても私にはそういう場所にふさわしい黒の裾模様なんというものはもって居りませんものね。矢沢という貸衣裳屋はうちかけまでもっているでしょうけれど、私の身幅はないでしょうから。
蒲田からはなかなか遠いこと。あの辺は水道が大変よくなくてお茶がくそうございます。あんなに戸数がひろがると思わず水圧がひくくて、出ないときがあるのですって。二階だから猶。
池上の方の田圃の中に三間の家があって三十六円也、片はじからふさがっているそうです。
この家の二階がね、六畳一つで、スケッチに御覧になったとおりです。ここへ入って来ると、私は机に向うしかないの、ゆとりがなくて。