轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はなもかたなも

花も刀も

山本 周五郎

「税のしるべ」大蔵財務協会、1955(昭和30)年1月~7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,364 字 · 178 页

青空文庫

「おれが不承知だとわかっていたって」

「平手は望みが高い、かやさんを小商人の嫁などにくれるわけがないからな」

深喜は顔を歪めた。

それから「かやは承知したんだな」と云いかけて、ふとするどい眼つきになり、じっと平八の眼をにらんだ。

「かやとはまえからなにかあったのか」

「このまえ出府されて帰ってから文通はしていた、そのほかにはなにもない」

「そして二人だけで、結婚をしたんだな」

「もちろん、形だけだが式も挙げたし、田舎から油屋六兵衛という人とつやさんが来た、仲人は黒門町の店の家主夫婦に頼んだ」

「つやも来たのか」

「いま店で手伝ってもらっているんだ」

深喜はさっと立ちあがった。

――これはどういうことだ。

妹と平八が結婚したことも意外だが次妹のつやまでが来て、いまでも江戸にいるというのに、自分にはなにも知らされていないとは、どういうことだ。おれはそんなに不用な人間か、そんなにも、おれは邪魔な人間なのか、と深喜は思った。

「そこまで事がおさまっているなら、いまさらおれに話すまでもないじゃないか」と、深喜は立ったまま云った、「つやまで来ているとすると、田舎の母はどうしているんだ」