轻松读懂日语经典作品
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
「税のしるべ」大蔵財務協会、1955(昭和30)年1月~7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,364 字 · 178 页
と呼びかけ、片手で幹太郎の袂をつかんだ。
「よして、平手さん、ここで結構よ」と、お豊が云った、「寝られるだけでも有難いじゃないの、ねえさん済みません、もう行灯は要りませんわ」
「しかしこれでは、おれの寝るところがないよ」
「いいじゃないの、幸坊を挾んで寝ましょうよ。そのほうが温かくていいわ」
お豊は作り声で、
「ねえさんもう結構、済みませんでしたわね」と、お杉に云った。
お杉は黙って、いかにも邪慳に、廊下を去り、二階へあがっていった。部屋はまっ暗になった。
「寝ましょう、平手さん」お豊が彼の手を握った。
「済まなかった、こんなことをされようとは思わなかったんだ、堪忍してくれ」
「もうたくさん、そんなことわかってるわよ」とお豊は彼の手をひきよせ「ここへおはいんなさいよ」と云って、蒲団の端を捲った。
彼は「まあ待て」と云った、「いい話があるんだ」
「寝て話せばいいわ」
「おれは扶持にありついたんだ」と、幹太郎は云った、「今日はもと道場で友達だった、秋田平八という男に会ったのだが、仙台藩の品川屋敷で師範を捜している、扶持はごく少ないが、いまいる正師範がやめれば、五石くらいにはあがるらしい」