轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
「税のしるべ」大蔵財務協会、1955(昭和30)年1月~7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,364 字 · 178 页
そして、なにか用があるのか、と訊いた。
「まあ坐ってから話そう」と、平八は答えた。
部屋は六畳二つに玄関が三畳。ほんの一坪の庭に面した六畳は床の間付きであるが、古ぼけた茶箪笥と火鉢、炭取などのほかには、家具らしい物はなにもなく、床の間には刀架があるだけだった。
「いま火だねを貰って来る」
「茶ならたくさんだ、それより道場のほうはいいのか」
「道場のほうは断わった」
そう云いながら、幹太郎が厨から出て来て、平八と向きあって坐った。
彼はやや肥えていた。血気もよく、ひき緊った肥えかたで『山源』で会ったときからみると、人が違ったかと思うくらい、健康と精気に満ちた感じだった。
「あのときの女や子供はどうしている」と、平八が訊いた。
芝の金杉橋の近くにいる、と幹太郎は答えた。恩のある女だから、堅気になるまで面倒はみてやるつもりだ。うん、その話は聞いたよ、と平八が云った。しかし、二人の生活をみるのはたいへんじゃないか。なに、どうにかなるさ。ときどきゆくのか。うん、月に二度、稽古休みがあるから……そう云って、もうこの話はよそう、とでもいいたげに「用事はなんだ」と平八を見た。