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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁

青空文庫

三

直ちに駒をすすめ、賊将うごくなかれと喚きながら駈け合せた。

戦い五十余合に至って、※(「广+龍」、第3水準1-94-86)徳は急に馬をめぐらして逃げかけた。関羽はそれを偽計と察しながら、

「偽って、刀を引くは、大将らしからぬ戦いではないか。奴! かえせっ」

と、追いすがった。

すると不意に、陣地の内から馬を飛ばして駈け出してきた関平が、

「父上っ、彼の罠にかかり給うな。――あっ、徳が弓を引きますぞ」

父の危機と見てうしろから注意した。

とたんに早くも※(「广+龍」、第3水準1-94-86)徳の放った矢が、びゅっと、関羽の顔を狙って飛んできた。関羽は左の臂を曲げてこれを受けた。矢は臂に立って、面部はそのはねた血にまみれたに過ぎなかった。

「父上っ」

関平は馬を寄せて父を抱いた。そして父を救うて戻ろうとしたが、かく見るや、※(「广+龍」、第3水準1-94-86)徳はまた、弓を投げ、刀を舞わして躍りかかって来た。

すわとばかり蜀の陣は鼓を打って動揺した。魏の陣も突貫してきた。双方はたちまち乱軍状態になる。そのあいだをくぐって、関平は無二無三に、父を扶けて味方のうちへ駈け込んだ。