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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
三国志
骨を削る
一
骨を削る
一
まだ敵味方とも気づかないらしいが、樊城の完全占領も時の問題とされている一歩手前で、関羽軍の内部には、微妙な変化が起っていたのである。
魏の本国から急援として派した七軍を粉砕し、一方、樊城城下に迫ってその余命を全く制しながら、あともう一押しという間際へきて、何となく、それまでの関羽軍らしい破竹の如き勢いも出足が鈍ったような観がある。
この理由を知っているのは、関平そのほか、ごく少数の幕僚だけだった。
今も、その関平や王甫などの諸将が、額をあつめて、
「……何にしても、全軍の死命に関わること、なおざりには致しておけぬ」
「一時の無念は忍んでも、ひとたび軍を荊州へかえし、万全を期して、出直すことがよいと考えられるが」
「……どうも困ったことではある」
沈痛にささやき交わしていた。
ところへ一名の参謀があわただしく営の奥房から走ってきて、
「羽大将軍のお下知である。――明日暁天より総攻撃を開始して、是が非でも、あすのうちに、樊城を占領せん。自身出馬する。各※(二の字点、1-2-22)にも陣々へ旨を伝え、怠りあるなかれ――との仰せです」
と、伝えてきた。