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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
四
するとたちまち、堂々の金鼓、颯々の旗、一彪の軍馬は、野を横ぎって、冷苞勢の横を打ってきた。
「黄忠ここにあり、怯むなかれ魏延」
真先にあるは老将黄忠であった。弓を持っている。矢を放って、先に彼の危急を救ったのも、彼だった。
この奇襲に、冷苞の勝色は、たちまち変じて、敗色を呈し、算をみだして、劉※の陣地へ退却して行ったが、おどろくべし、そこの営内にはすでに見馴れない他人の旗が翩翻とたなびいていた。
四
先に廻って、ここを占領していたのは、玄徳の命をうけた関平の一軍だった。
「や、や。いつのまに」
冷苞は帰るに陣もなく、狼狽の極、馬をめぐらして山間へ逃げこんだ。
「かかったぞ。網の中に」
たちまち、熊手や投げ縄が、八方の叢林から飛び出して、彼を馬の背から搦め落した。
「大物を捕ったぞ」
ここに彼を待って奇功を獲たのは、魏延であった。魏延の得意なことはいうまでもない。
実は、彼としては、軍法を犯してまで黄忠を抜駈けしたものの、序戦には大敗を喫し、多くの兵を損じたので、(何か一手柄たてねば味方の者にあわせる顔もないが)と、独り焦躁していたところに敵の一大将を捕虜にしたのであるから、その満足感はなおさら大きかった。