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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁

青空文庫

呂蒙と陸遜

一

呂蒙と陸遜

一

陸遜は呂蒙より十幾歳も年下だった。当時まだ呉郡の一地方におかれ、その名声は低く、地位は佐官級ぐらいに止まっていた。

だが彼の才幹は呉侯も日頃から愛していたところだし、呂蒙はなおさら深く観てその将来に嘱目していた。

ふたりは同船して、ふたたび呉の建業へ帰り、呉侯孫権にまみえて、荊州の実状を詳しく告げた。あわせて呂蒙は、自分の仮病は敵方に対する当面の一謀に過ぎない旨を語って、主君に心を煩わせたことを詫びた。

「この機会に、陸口の守りには、ぜひ誰か別人をご任命ください。それがしがおっては、関羽は防禦の手をゆるめません」

「その方の謀とあれば、今そちが病を称えて職を退くには至極よいが、しかし、陸口は呉にとって重要な地。ご辺をおいて、ほかに一体誰を任命したらよいか」

「陸遜がよろしいでしょう。彼をおいて適任はないかと思います」

「陸遜を? ……」と孫権は面に難色を示しながら、

「むかし周瑜は呉の第一の要害は陸口なりとして、守備の大将に魯粛をえらび、その魯粛はまたご辺を推薦した。こんどはその三代に当る守将であるから、もうすこし人望才徳、機略遠謀兼ね備わった人物をそちも推挙すべきであろう」