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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
二
「今さら、殺すわけにもゆかんではないか」
「手ぶらで帰してしまうことこそ、折角の人間をころしているというものです。なぜ、彼にこういう使命を背負わせておやりにならないので……」
呂蒙に何かささやかれると、孫権は急に侍臣を走らせて、傅士仁をよび戻した。
そしてたちまち一問を発し、また命令した。
「南郡の糜芳とは親交があるだろう。当然、きのうまでの味方だから」
「はっ……。交わりがありますが」
「では、友情をもって、糜芳を説くことは、汝の義務だともいえるな。もし彼を説いて、予の面前へつれてきたら、糜芳は厚く用い、汝にはさらに恩賞を加えるだろう。どうだ」
「さっそく南都へ赴きましょう」
傅士仁は倉皇と帰ってゆく。孫権は呂蒙をかえりみてにやりと笑った。
二
「たいへんな難役を背負ってしまった」
傅士仁は浮かない顔で、友の虞翻のところへ相談に行った。そして愚痴まじりに、
「どうも今になってみると、貴公のいうことをきいたのは、大きな過ちだったような気がする。呉侯の命に対して、――ご難題です。糜芳を説きつけるなんて無理です。ご免こうむりましょう、といったら、たちまち俺は二心ありと首にされ、公安の城はただ取りにされてしまうだろう。