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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁

青空文庫

、第3水準1-86-85)へ迫ると、急を告げる早馬は、櫛の歯をひくようだった。

また、漢中に出征中の曹操からも、変を聞いて、薛悌という者を急派してきた。これは曹操の作戦指導を、匣に封じて、もたらして来たものだった。

「丞相の作戦には、守備とあるか、籠城せよとお示しあるか。はやくお開き」

同じ城にある副将の楽進と李典は、固唾をのんで、張遼の開ける匣を見ていた。

「では聞き給え、読み聞かせよう。……呉ノ積極ニ出デ来レル所以ハ、要スルニ予ノ遠ク漢中ニ在ルノ虚ヲ窺ウモノナリ。故ニ、呉ノ勢ミナ魏城ヲ軽ンズ。戦ワズシテタダ守ラバ、イヨイヨ彼等ヲ誇ラスノミ。マタ、出テ十万ノ寄手ト野戦ヲ構ウルハナオ拙ナリ。即チ、敵近ヅカバ、ソノ序戦ニ於テ、彼等ノ鋭気ヲ一撃シテ挫キ、味方諸人ノ心ヲマズ安泰ニ固メ置キテ後、固ク城ヲ閉ジ、防備第一トシテ、必ズ出テ戦ウ勿レ。おわかりか。こういうご指令であるが」

「…………」

李典は、日頃、張遼と仲がわるい。そのせいか、黙りこんだまま返辞もしない。

一方の楽進は、すぐ云った。彼の意見は反対である。

「由来、守る戦で、勝てた戦はない。ましてこんな小勢で」