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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
曹操は、この汚い百官の群れを、その壮麗な魏宮の庭園に立たせ、
「先頃の乱のとき、汝らのうちには、門を閉じて、ただ慄えあがっていた者もあろうし、また、敢然出て火を鎮めんと、働いた者もあるであろう。いちいち調べるのは、面倒くさい。あれに紅白二旒の旗が立ててあるから、火を防ぎに出た者は、紅の旗の下に立て、また、門を閉じて、出なかった者は、白い旗の下にかたまれ」と、云いわたした。
まるで児童あつかいである。あわれや、衰えたりといえ、朝夕、禁裡に仕える身なるものをと、悲涙をのみ、憤怒を抑えていた者もあろうが、色にでも、そんな気ぶりを現わしたら、すぐ首が飛んでしまう。
「……?」
官人たちは、お互いに右をみ、左をみ、どっちへ行こうかと、迷っているふうだったが、期せずして、全人員の八割までが、ぞろぞろと、紅い旗の下へ馳け集まった。
これは、各※(二の字点、1-2-22)が、
「もし、門を閉じて、出なかったといえば、きっと過怠なりといって、咎めを受けるにちがいない。都下の騒擾とともに、火を防ぎに出たといえば、何の罪科にも触れはしまい」
という心理であった。
ところが、曹操は、高台の上からそれを見届けるや、叱呼して、武将に命じた。