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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
急に、三十里ほど退いて、曠野のただ中に、陣を営み直した。
孔明は笑って、
「曹操も怪にとり憑かれた」といった。夜ごとの砲声や銅鑼は、もちろん上流の盆地にひそんだ趙雲軍の仕業であったこというまでもない。
四日目の夜が明けてみると、蜀の軍は、その先鋒から中軍もみな河を渡り、漢水をうしろに取って陣容を展開していた。
「なに、背水の陣をとったと」
曹操は、疑いもし、かつ敵の決意のただならぬものあるを覚って、今は、乾坤一擲、蜀魏の雌雄をここに決せんものと、
「明日、五界山の前にて会わん」と、玄徳へ戦書を送った。
戦書、すなわち決戦状である。玄徳もこころよく承知した。次の日、総軍の威風をあらゆる軍楽と旌旗に誇示しながら、蜀は前進した。
たちまち、真紅金繍の燃ゆるごとき魏の王旗を中心に、龍鳳の旗を立て列ね、一鼓六足、堂々とあなたから迫ってくるもの――いうまでもなく魏の大軍だった。
「玄徳。あるや」
鞭をあげて、曹操が馬上からさしまねいている。蜀の陣から玄徳は、劉封、孟達の二人を左右に従えて、騎をすすめた。
「久しや曹操。君はむなしく、今日を以て、死なんとするのか」
曹操は怒って云い返した。