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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
考えておこうという程度に王甫の言は聞き流してしまった。
「まず、後の憂いもない」
として、彼は、襄陽滞陣中に、充分英気を養った士卒をして、襄江の渡河を決行させた。
もちろんこの間に、船筏の用意そのほか、充分な用意はしてある。――当然、この渡河中には、手具脛ひいている敵の猛烈な強襲があるものと覚悟して。
ところが、大軍は難なく、舟航をすすめ、何の抵抗もうけず、続々、対岸へ上陸してしまった。
ここでも、樊城の魏軍は、その内部的な不一致を、暴露している。
さきに逃げ帰った曹仁は、その生命を保ってきただけに、以後、関羽の武勇を恐れること一通りでない。
すでに荊州軍が、歴然と、渡河の支度をしているのを眺めながらも、
「どうしたらよいか」と、参謀の満寵に、ひたすら策を求めているような有様だったのである。
満寵は初めから関羽を強敵と見て、曹仁が襄陽へ陣を出すのをさえ極力いさめていたほどな守戦主義の参謀だったから、二言なく、
「城を堅固に、守るが第一です。出て戦っては、勝ち目はありません」と、いった。
ところが、城中一方の大将たる呂常などの考えは、まったくそれと背馳していた。