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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁

青空文庫

見ると、玄関を上がって、そこの床の上に、仰向けに寝ている男がある。浪人生活は自分も長年体験している※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統も、この不作法な壮士には、あきれ顔に、眼をみはった。

「おい。先生」

「やあ、君が主人か」

「主人かもないもんだ。いったい足下は、どこの何者だ」

「汝は客を敬うことを知らんか。まず礼を尽せ。その後に天下の大事を語ろう」

「おどろいたな」

「何を愕く。※(「广+龍」、第3水準1-94-86)統ともあろうものが」

「はははは。まず起き給え」

「まず酒食の支度をさきにしろ」

「もうできている」

「では通ろう。どこだ」

「こちらへ来給え」

室へ導いて、上座を与え、酒食をすすめると、遠慮などはしない。実によく喰う。また痛飲する。

だが、天下の大事はなかなか云いださない。そのうちに、飲むだけ飲むと、ごろりと横になって寝てしまった。

「ひどい奴もあるものだ」

その不敵さに、舌を巻いていると、法正が急ぎ足にやって来た。法正なら蜀の事情にも人物にも通じているにちがいないから、客の飲んでいるあいだに、使いを走らせて、招いたのである。

「やあ、ご足労をわずらわして申しわけない。