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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
汝ら呉の逆賊どもを亡ぼさずにおくべきか。降伏せよなどとは笑止笑止。はや首を打て」
それきり口をつぐんで再びものをいわない。さながら巌を前に置いているようだった。孫権は左右を顧みて、
「一代の英雄をわしは惜しむ。何とかならんか」
と、ささやいた。
主簿の左咸が意見した。
「おやめなさい。おやめなさい。むかし曹操もこの人を得て、三日に小宴、五日に大宴を催し、栄誉には寿亭侯の爵を与え、煩悩には十人の美女を贈り、日夜、機嫌をとって、引き留めたものでしたが、ついに曹操の下に留まらず、五関の大将を斬って、玄徳の側へ帰ってしまった例もあるではありませんか」
「…………」
「失礼ですが、あの曹操にしてすらそうでした。いわんや呉の国へどうして居着くものですか。苦杯をなめた曹操も後に大きな悔いを抱きました。今彼を殺さなければ後には呉の大害となるにきまっています」
「…………」
孫権はなお唇をむすんでしばらく鼻腔で息をしていたが、やがて席を突っ立つや否や、われにも覚えぬような大声でいった。
「斬れっ。斬るのだっ。――それっ関羽を押し出せ」
武士はかたまり合って関羽を陣庭広場までひき立てた。