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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
植の詩は、あれは植が作るのではない、彼の側に詩文の名家がいて代作しているのだと。――予も実は疑っておる。嘘か実か、今日はここでその才を試してみようと思う。もし予の疑いがはれたら命は助けてやるが、その反対だった場合は、長く先王を欺き奉った罪を即座に糺すぞ。異存はないか」
すると曹植は、それまでの暗い眉を急ににこと開いて、
「はい。ありません」
と、神妙に答えた。
曹丕は、壁に懸っている大幅古画を指さした。二頭の牛の格闘を描いた墨画で、それへ蒼古な書体をもって何人かが、
二頭闘二檣下一牛墜レ井死
と賛してあったが、その題賛の字句を一字も用いないで、闘牛の詩を作ってみよという難題を、植に与えた。
「料紙と筆をおかし下さい」
と乞いうけて、植はたちどころに一詩を賦して兄の手もとへ出した。牛という字も、闘という字も用いずに、立派な闘牛之詩が賦されてあった。
曹丕も大勢の臣も、舌をまいてその才に驚いた。華※(「音+欠」、第3水準1-86-32)はあわてて几の下からそっと曹丕の手へ何か書いたものを渡した。曹丕は眼をふと俯せてそれを見ると、たちまち声を高めて次の難題を出した。