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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
かくて三路から呉をうかがって、ひたすら待機させていたのは、さすがに彼も曹操の血をうけた者であった。
× × ×
蜀の馬良は、漢中に着いた。ときに孔明は漢中に来ていた。
「ご意見もあらば伺ってこいとの帝の仰せでありました。わが軍は、八百余里のあいだ、江に添い、山に拠り、いまや四十数ヵ所の陣地をむすび、その先陣は舟行続々呉へ攻め下っている勢いにあります」
自分で写してきた例の絵図をも取り出して、つぶさに戦況を伝えた。
しまったといわぬばかりに、孔明ははたと膝を打って嘆じた。
「ああいけない! 誰がそんな作戦をおすすめしたのか」
「他人の容喙ではありません。帝御自ら遊ばした布陣です」
「ううむ……漢朝の命数すでに尽きたか」
「なぜさように落胆なされますか」
「水流にまかせて攻め下るは易く、水を溯って退くは難い。これ一つ。また叢原をつつんで陣屋をむすぶは兵家の忌、これ二つ。陣線長きに失して力の重厚を欠く、これ三つ。……そうだ、馬良、足下はすぐ大急ぎで戦場へ帰れ。そして孔明の言を奏して、禍いを避け給えと、極力お諫め申しあげてくれ」
「もしその間に、陸遜の軍にお敗れ遊ばしたときは?」