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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
逃げるわ逃げるわ、土蛮の群れは、さながら枯葉を巻くように四散してゆく。そして董荼奴や阿会喃の陣へかくれこんだ。
魏延、趙雲などの蜀の中軍は、その頃、ここを攻め喚いていた。南蛮勢は、前後に蜀軍を見て、いよいよ度を失い、谿へ飛びこんで頭を砕く者、木へよじ登って焼け死ぬ者、また討たれる者や降る者や、数知れない程だった。
夜が明けた。蛮地の奇峰怪山のうえに、なお戦火の余燼が煙っている。孔明は快げに、朝の兵糧を喫し、さて夜来の軍功を諸将にたずねた。
「三洞の蛮兵は敗乱して、今朝すでに一個の影だに見えぬ。まことに諸公の大勇によるものであるが、敵の大将は捕え得たであろうか」
「それがしが討った首は、敵将のひとり金環結と思われます。ご実検ください」
「おお、趙雲か。いつもながらのお働き、めでたい。して、そのほかの敵将は」
「遺憾ながらみな逃げたようであります」
「いや、実はここに生擒っておる」
と、背後の帳へ向って、曳いてこいと命じた。
人々は信じられなかったが、やがて帳を排して、数名の武士が、阿会喃と董荼奴の縄尻をとって、これへ現れ、
「蛮族。下に居ろ」と、ひきすえた。