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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁

青空文庫

――わが蜀軍は、王道の兵である。心から服する者を、なんでほしいままに虐誅しよう。いわんや汝は蛮界に王を称える者だけあって、中国の文明も多少は知り、文字も読み、また夷蛮に似あわずよく用兵にも通じておる。――殺すは惜しい。孔明は惜しむ。心から汝を惜しんでやまないのだ」

「丞相、もう一度、俺を放してくれないか」

「放したらどうする心か」

「寨にかえって、檄をとばし、諸洞の猛者をあつめて、正しく戦法を練り、ふたたび蜀軍と一合戦する」

「ふうむ。そして」

「きっと、俺が勝つ。だが間違って、こんどもまた、蜀軍に敗れたら、洞族一統をひきつれて、いさぎよく降参する」

孔明は笑った。そして、兵に命じて、すぐ彼の縄を解かせ、

「次には、心ゆくまで、戦ってみせい。だが、重ねてわが前に醜い姿を見せぬようにしたがいいぞ」

と、酒を呑ませ、また、馬を与えて、これを瀘水の岸まで送って放した。

孟獲は、舟の中から、二度ほど振り向いたが、対岸に着くや否や、豹のように、山寨へ駈け登って行った。

孔明・三擒三放の事

一

孟獲は山城に帰ると、諸洞の蛮将を呼び集めて、

「きょうも孔明に会って来た。あいつは俺が縛られて行っても、俺を殺すことができないのだ。