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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
孔明は驚いた。彼の該博なる知識をもっても解決はつかない。で、遂に意を決し、三軍に出発を令した。そして身は四輪車に押され、兵馬は相扶けつつ、おうおう、えいえいの喘ぎ物すさまじく、あえて未曾有の難所へかかった。
一木一草なき岸々たる焼け山や焼け河原を越え、ようやく峰また峰をめぐって、密林地帯に入ると、王平が迎えにきて、直ちに、孔明の車を四泉の畔へ案内した。
見れば水気凛々として、彼すらすぐ飛びついて口づけたい誘惑を泉はたたえていた。仰げば、四山は屏風のごとく屹立し、一鳥啼かず、一獣駈けず、まことに妖気肌を刺すものがある。
「や……あの岩頭に見ゆる一廟は何であろうか」
彼はふと一峰の中腹に、人工の色ある廂屋を見たので、徒歩絶壁を攀じ藤葛にすがって登って行った。
岩盤をくりぬいた窟がある。それを廟として一人の将軍の石像が祀られてあった。傍らに建ててある碑銘を読んで見ると、これなん漢の伏波将軍の石像であって、遠き昔、将軍南蛮を征してこの地にいたり、土人その徳を慕ってこれを祀る――と刻んである。
孔明は石像の前にひれ伏し、祈念久しゅうして、生ける人にいうが如く烈々訴えた。