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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁

青空文庫

「慈父丞相、大父孔明」と、いいたたえ、その戦蹟の諸地方に、早くも生祠(生き神様の祭り)を建て、四時の供物と祠りを絶たなかった。

とき、蜀の建興三年、秋は九月。

孔明とその三軍は、いよいよ帰途についた。

中軍、左軍右軍は彼の四輪車を守りかため、前後には紅旗幡銀をつらね、貢物の貨車隊、騎馬隊、白象隊、また歩兵数十団など征下してくる時にもまさる偉観だった。

その壮観に加えて、南蛮王孟獲もまた、眷族をあげて、扈従に加わり、もろもろの洞主、酋長たちも、鼓隊をつれ、美人陣を作って、瀘水のほとりまで見送ってきた。

盤蛇谷三万の焚殺と共に、この瀘水でも多くの味方を失い敵兵を殺していた。孔明は、夜、中流に船を浮かべ、諸天を祠る表を書いて、幾万の鬼霊に祈り、これを戦の魂魄に捧げてその冥福を祈ると唱えて、供え物と共に河水へ流した。

古来、この河の荒れて祟りをなすときには、三人を生きながら沈めて祭る風習があったと聞き、孔明は、麺に肉を混和して、人の頭の形を作り、これをその夜の供え物にした。

名づけて「饅頭」とよび慣わしてきた遺法は、瀘水の犠牲より始まるもので、その案をなした最初のものは孔明であったという伝説もあるが、さて、どんなものか。