Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

周瑜・気死す

一

するとたちまち、山ぎわのあたりの夕雲が、むくむくと動き、鼓の声や銅鑼が水に響いた。いうまでもなく、ここに包囲を計った追手の大軍だった。

「おお如何にせん」

玄徳は、身を揉んだ。

夫人も今はと覚悟して、簾のうちから飛び降りる。

「すわ!」と、近づく喊の声、はや矢ばしりの響き。玄徳の少ない手勢は、すでに色を失って、四方へ逃げかけた。

すると、たちまち、郎浦湾の汀、数里にわたる蘆荻が、いちどにザザザザと戦ぎ立った。見れば、葭や蘆のあいだから帆を立て、櫓を押出した二十余艘の快足舟がある。こなたの岸へ漕ぎ寄せるや否、

「乗り給え。早く早く」

「皇叔。いざ疾く」

と、手を打振って口々に呼ぶ。その中に、いま舟底から這い出して、共々呼んでいた道服の一人物があった。一目に知れる頭の綸巾、すなわち諸葛孔明だった。

周瑜・気死す

一

孔明の従えてきた荊州の舟手の兵は、みな商人に姿を変えていた。玄徳と夫人、また随員五百を各※(二の字点、1-2-22)の舟に収容すると、たちまち、櫓櫂をあやつり、帆を揚げて、入江の湾口を離れた。

「やあ、その舟返せ」

呉の追手は、遅ればせに来て、あとの岸にひしめき合っていた。