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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

二

かねて注目していた蔡和と蔡仲は、陣幕の外に耳を寄せて、じっと、聞きすましていたが、さっと、夕風に陣幕の一端が払われたので、蔡和の半身がちらと、中の二人に見つけられたようだった。

「あっ、誰かいる」

「しまった」と、いう声が聞えた。

――と思うと、甘寧と※(「門<敢」、第3水準1-93-58)沢は、大股に、しかも血相変えて、蔡和、蔡仲のそばへ寄ってきた。

「聞いたろう! われわれの密談を」

※(「門<敢」、第3水準1-93-58)沢がつめ寄ると、甘寧はまた一方で、剣を地に投げて、

「われわれの大事は未然に破れた。すでに人の耳に立ち聞きされたからには、もう一刻もここには留まり難い」と、足ずりしながら慨嘆した。蔡和、蔡仲の兄弟は、何か、うなずき合っていたが、急にあたりを見廻して、

「ご両所、決して決して絶望なさる必要はありませぬ。何を隠そう、われわれ兄弟こそ、実は、曹丞相の密命をうけ、詐って呉に降伏して来た者。――今こそ実を打ち明けるが、本心からの降人ではない」と、いった。

甘寧と※(「門<敢」、第3水準1-93-58)沢は穴のあく程、兄弟の顔を見つめて、

「えっ、それは……真実なのか」