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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

孔明・風を祈る

一

孔明・風を祈る

一

よほど打ち所が悪かったとみえる。周瑜は営中の一房に安臥しても、昏々とうめき苦しんでいる。

軍医、典薬が駈けつけて、極力、看護にあたる一方、急使は、呉の主孫権の方へこの旨を報らせに飛ぶ。

「奇禍に遭って、都督の病は重態におちいった」

と聞え、全軍の士気は、落莫と沮喪してしまった。

魯粛はひどく心配した。呉魏決戦の火ぶたはすでに開かれている折も折だ。早速、孔明の住んでいる船へ出かけ、

「はや、お聞き及びでしょうが、どうしたものでしょうか」と、善後策を相談した。

孔明は、さして苦にする容子もなく、かえって彼に反問した。

「貴兄はこの出来事についてどう考えておられるか」

「どうもこうもありません。この椿事は、曹操には福音であり、呉にとっては致命的な禍いといえるでしょう」

「致命的? ……そう悲観するには当りません。周都督の病たりとも、即時に癒えればよいのでしょう」

「もとよりそんなふうに早くご全快あれば、国家の大幸というものですが」

「いざ、来給え。――これから二人してお見舞してみよう」

孔明は先に立った。

船を下り、驢に乗って、二人は周瑜の陣営奥ふかく訪ねた。