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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「ふーむ。……して、黄蓋の書面なるものを、それへ持参したか」

「肌に秘して、持ち参りました」

「ともあれ、一見しよう」

「……いざ」

と、沢は、侍臣の手を通して、書面を曹操の卓へ提出した。

曹操は、几の上にひらいて、十遍あまり読み返していたが、どんと拳で案を叩きながら、

「浅慮浅慮。これしきの苦肉の計に、いかでこの曹操が詐られようか。明白なる謀略だ。――それっ、部将輩、その船虫みたいなむさい老爺を、営外へ曳きだして斬ってしまえ」

云いすてるや否、黄蓋の書状は、その手に引き裂かれていた。

三

※(「門<敢」、第3水準1-93-58)沢は、自若として、少しもさわがないばかりか、かえって、声を放って笑った。

「あははは。小心なる丞相かな。この首を所望なら、いつでも献上しようものを、さりとは、仰山至極。音に聞く魏の曹操とは、かかる小人物とは思わなかった」

「だまれ。かような児戯にひとしい謀計をたずさえて、予をたばからんとなすゆえ、汝のそッ首を刎ねて、わが軍威を振い示さんは、総帥の任だというのに、汝こそ、何がおかしいか」

「いや、それを嗤うのではない。余りといえば黄蓋が、曹操などという人物を買いかぶっているのを愍笑したまでだ」