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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

鳳雛去る

一

「なに、周瑜が死んだと?」

孫権は、彼の遺書を手にするまで、信じなかった。いや信じたくなかった。

周瑜の遺書には、

瑜死ニ臨ミ、泣血頓首シテ、書ヲ主君明公ノ麾下ニ致ス

と書き始めて、縷々といま斃れる無念をのべ、呉の将来を憂い、その国策を誌し、そして終りには、

(自分の亡い後は、魯粛を大都督として職をお任せあれば、彼は篤実忠良な仁者ですから、外に過たず、内に人心を獲ましょう)

とも云いのこしてあった。

孫権の悲嘆はいうまでもない。暗澹と、彼の将来を思って、

「周瑜のような王佐の才を亡くして、この後何を力とたのもう」

と慟哭した。

けれどいつまで嘆いている所ではないと、張昭そのほかの重臣たちに励まされて、周瑜の遺言を守り、魯粛を大都督に任命した。以後、呉の軍事はすべて、彼の手に委ねられた。

もちろん、国葬を以て、遺骸は篤く葬られた。国中、喪に服して、哀号の色もまだ拭われないうちに一船、江を下ってきて、

「元勲、瑜公の死を聞き、謹んで遠くよりおくやみに来ました」と告げた者がある。

そう関門へ告げに来た者は、すなわち趙雲子龍であったが、正使は諸葛孔明その人であり、玄徳の名代として従者五百余をつれて上陸した。