Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
二
何といっても、彼に従う麾下の将士は、その大部分が、青州、冀州、徐州、燕州などの生れで、水軍に不馴れな者ばかりだったから、この連環の計に不賛成をとなえるものは少なかった。
かくて、風浪のやや鎮まるのを待つうちに、もと袁紹の大将で、いまは曹操に仕えている燕の人、焦触、張南のふたりが、
「不肖、幼少から水には馴れている者どもです。ねがわくはわれわれに二十艘の船をかし給え、序戦の先陣を仰せつけ下されたい」と、自身から名乗って出た。
二
「そちたちは皆、北国の生れではないか。船二十艘を持って、何をやるというのだ。児戯に類した真似をして、敵味方に笑われるな」
と、叱っただけで、曹操は二人の乞いをゆるさなかった。
焦触、張南は大いに叫んで、
「これは心外な仰せです。われらは長江のほとりに育ち、舟を操ること、水を潜ること、平地も異なりません。万一、打ち負けて帰ったら軍法に糺して下さい」
「意気は賞めてつかわすが、何もそう逸って生命を軽んじないでもいい。――それに大船、闘艦はすべて鎖をもってつなぎ、走舸、蒙衝のほかは自由に行動できぬ」
「もとより大船や闘艦を拝借しようとは申しません。