Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
五
しかし蔡瑁は強引に、この内部混乱を、曹操との講和によって、率いて行こうと考えていた。――で、彼が曹操にまみえて、降服の礼を執ることや、実に低頭百拝、辞色諂佞をきわめたものだった。
曹操は、高きに陣座して蔡瑁以下のものを、鷹揚に見おろしながら、
「荊州の軍馬、銭糧、兵船の量は、およそどのくらいあるのか」と、たずねた。
蔡瑁は、答えて、
「騎兵八万、歩卒二十万、水軍十万。また兵船は七千余艘もあり、金銀兵糧の大半は、江陵城に蓄え、そのほか各地の城にも、約一年余ずつの軍需は常備してあります」
と、つつむ所もなかった。
曹操は満足して、
「劉表は存命中、荊州王になりたがっていたが、ついに成らずに死んだ。自分から天子に奏請して、子の劉は、いつかかならず王位に封じてやるぞ」と、約束した。
五
この日、曹操はよほど大満悦だったとみえ、さらに、蔡瑁を封じて、平南侯水軍大都督とし、また張允を助順侯水軍副都督に任命した。
ふたりは深く恩を謝して、自国の降服を、さながら自己の幸運のごとく欣然として帰って行った。
「丞相はあまりに人を識らなすぎる。あんな諂佞の小人に、高官を授けて、水軍をまかせるおつもりだろうか」