Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
五
新しきは旧きを離間すべからず。このことばの通りです」
「ぜひもございません」
※(「王+奇」、第3水準1-88-6)は、ふいに剣を抜いて、自分の手で自分の頸を刎ねようとした。
孔明は、急に、押しとどめて、
「お待ちなさい」
「離してください」
「いや、良計を教えましょう。それほどまでのご心底なら」
「えっ、ほんとですか」
※(「王+奇」、第3水準1-88-6)は、剣をおいて、孔明の前にひれ伏し、急に眼をかがやかした。
五
孔明は、ねんごろに話した。
「むかし、春秋の時代に晋の献公の夫人には、二人の子があった。兄を申生といい、弟を重耳という」
例話をひいて、劉に教えるのである。劉※(「王+奇」、第3水準1-88-6)は、全身を耳にして熱心に聞いていた。
「――ところが、やがて献公の第二夫人の驪姫にもひとりの子が生れた。驪姫はその子に国を継がせたく思い、つねに正室の子の申生や重耳を悪くいっていた。けれど献公が見るに、正室の子はいずれも秀才なので、驪姫が讒言しても、それを廃嫡する気にはなれずにいた……」
「その申生は、さながら、私のいまの境遇とよく似ております」
「――で、驪姫は、春あたたかな一日、献公を楼上に迎えて、簾のうちから春園の景をうかがわせ、自分はひそかに、襟に蜜を塗って申生を園に誘いだしたものです。