Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

朝の月

一

てくれとも頼めなかった。

女宮の深殿に導かれた玄徳は、気も魂もおののいた。

なぜなら閨室の廊欄には燈火をつらね、そこに立ちならぶ侍女から局々の女たちまで、みな槍薙刀をたずさえて、閃々眼もくらむばかりだったからである。

「ホ、ホ、ホ、ホ。貴人。何もそのように怖れ給うことはありません。呉妹君はお幼き頃から、剣技をお好み遊ばし、騎馬弓矢の道がお好きなのです。決して貴人に危害を加えるためではありません」

房の内外を司る管家婆という役目の老女が、こういって、玄徳の小心を笑った。

玄徳はほっとして、老女侍女など千余人の召使いに、莫大な金帛を施した。

朝の月

一

七日にわたる婚儀の盛典やら祝賀の催しに、呉宮の内外から国中まで、

「めでたい。めでたい」

と、千載万歳を謳歌している中で、独りひそかに、

「何たることだ」と、予想の逆転と、計の齟齬に、鬱憤のやりばもなく、仮病をとなえて、一室のなかに耳をふさぎ眼を閉じていたのは呉侯孫権だった。

すると、柴桑の周瑜から、たちまち早馬をもって、一書を送ってきた。

うわさを聞いて、周瑜も仰天したらしい。

金瘡の病患がまだ癒えぬため、参るにも参られず、ただ歯がみをしておるばかりですが、かくてやはあると、自ら心を励まし病中筆をとって書中に一策を献ず。