Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
酔計二花
一
彼は、盧江の生れで、字を公瑾といい、孫策に知られてその将となるや、わずか二十四歳で中郎将となったほどな英俊だった。
だから当時、呉の人はこの年少紅顔の将軍を、軍中の美周郎と呼んだり、周郎周郎と持てはやしたりしたものだった。
彼が、江夏の太守であったとき、喬公という名家の二女を手に入れた。姉妹とも絶世の美人で、
――喬公の二名花
と、いえば呉で知らない者はなかった。
孫策は、姉を入れて妃とし、周瑜はその妹を迎えて妻とした。――が間もなく策は世を去ったので、姉は未亡人となっていたが、妹は今も、瑜のまたなき愛妻として、国もとの家を守っていた。
当時、呉の人々は、
(喬公の二名花は、流離して、つぶさに戦禍を舐めたが、天下第一の聟ふたりを得たのは、また天下第一の幸福というものだ)といって祝福した。
わけて、青年将軍の周瑜は、音楽に精しく、多感多情の風流子でもあった。だから宴楽の時などでも、楽人の奏でる調節や譜に間違いがあると、どんなに酔っているときでも、きっと奏手の楽人をふりかえって、
(おや。いまのところは、ちょっとおかしいね)
と、注意するような眼をするのが常だった。