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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

二

――おお、人目にふれないうちに、君には、お急ぎあって」

と、孔明は、主君を船へせきたてると、自分も忽然と、呉の陣営のうちに、姿をかくしてしまった。

二

孔明に別れて、船へ移ると、玄徳はすぐ満帆を張らせて、江をさかのぼって行った。

進むこと五十里ほど、彼方に一群の船団が江上に陣をなしている。近づいて見れば、自分の安否を気づかって迎えにきた張飛と船手の者どもだった。

「おおよくぞ、おつつがなく」

一同は、無事を祝しながら、主君の船を囲んで、夏口へ引揚げた。

玄徳の立ち帰った後――呉の陣中では、周瑜が、掌中の珠を落したような顔をしていた。

魯粛は、意地わるく、わざと彼にこういった。

「どうして都督には、今日の機会を、みすみす逸して、玄徳を生かして帰してしまわれたのですか」

周瑜は自分の不機嫌を、どうしようもない――といったように、

「始終、関羽が玄徳のうしろに立って、此方が杯へやる手にも、眼を離さず睨んでおる。下手をすれば、玄徳を殺さないうちに、こっちが関羽に殺されるだろう。何にしても、あんな猛犬が番についていたんでは、手が出せんさ」

噛んで吐き出すような返事であった。