Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
鴛鴦陣
一
「えっ。皇叔と呉妹君との結婚の談があったのですって?」
初耳とみえて、喬国老は、桃のような血色を見せながら、眼をまろくした。
「しかし、それは何にしても、大慶のいたりだ。この女性なら皇叔の正室となされても、決して悔いはあるまい。……ところで、呉城の宮中へは、今日ご着船の由を、お届け召されたかの」
玄徳が、上陸早々、ご訪問申したので、まだ呉城へは告げないというと、
「それは、いかん、早速にも」と、すぐ家臣を走らせ、また家族たちに命じては、玄徳の一行を心から歓待させて、「ともあれ、わしも一応、宮中へ伺ってくる」と白馬に乗って登城した。
殿中でも大奥でも、国老は出入自在である。呉侯の老母、呉夫人に会って、すぐ慶びをのべた。
すると呉夫人は、けげんな顔をして、
「なんじゃと、あの玄徳が、権の妹を娶いにきたのですって。……まああつかましい」
と、舌を鳴らした。
喬国老は、あわてて手を振りながら、
「ちがう、ちがう。呉侯のほうから呂範を婚姻の使いにやって、切に望んだので、はるばる、玄徳も呉へやって来たわけじゃ」
「嘘、嘘。国老はわらわをかついで笑おうと召さるの」
「ほんとです。