Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

三

またひそかには、男児と生れて、天下の大事を争うてみたいという壮気も疼いておられましょう。……ところが呉の宿将元老ことごとく不賛成です。まず安穏第一とおすすめ申しあげておる。閣下の胸中も拝察できます。――けれど事態は急にしてかつ重大です。もし遅疑逡巡、いたずらに日をすごし、決断の大機を失い給うようなことに至っては、禍いの襲いくること、もう遠い時期ではありませんぞ」

「…………」

孫権はいよいよ黙りこむ一方であった。孔明はしばらく間をおいてまた、

「何よりも、国中の百姓が、塗炭の苦しみをなめます。閣下のお胸ひとつのために。――戦うなら戦う、これもよし。降参するならする、これもまたよしです。いずれとも、早く決することです。同じ降参するなら、初めから恥を捨てたほうが、なお幾分、あなたに残されるものが残されるでしょう」

「……先生っ」と、孫権は面をあげた。内に抑えつけていた憤懣が眼に出ている、唇に出ている、色に出ている。

「先生の言を聞いておると、他人の立場はどうにでもいえる――という俗言が思い出される。いわるる如くならば、なぜ先生の主、劉予州にも降服をすすめられぬか。