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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

三

統も、口をそろえて、

「わが主玄徳は、人みな知るとおり、漢朝の宗親でありながら、少しも自分というものを強く主張しようとなさらんのです。……今、その漢朝にあって、位人臣を極め、専政をほしいままにしている者のごときは、もともと、匹夫下郎にもひとしいのですが」

と、いかにも歯がゆそうに云って、張松へ杯をさした。

三

「そうです。そうです」と何度もうなずいて、張松は杯を受けながら、共鳴を誇張した。

「ただ徳ある人に依ってのみ、天下はよく保たれる。すなわちまた、諸民の安心楽土もそこにしかない。不肖思うに劉皇叔は、漢室の宗親。仁徳すでに備わり、おのずから四民もその高風を知っていますから、一荊州を領し給うにとどまらず、正統を受け継いで、帝位につかれたところで、誰も非難することはできないでしょう」

玄徳は、耳なきごとく、あるごとく、ただ、手を交叉したまま、穏やかに顔を横に振っていた。そして、

「先生のご過賞は、ちと当りません。なんで玄徳にそのような天資と徳望がありましょう」

とのみいって笑った。

逗留三日、張松はこの城中にもてなされて、しかも一日でも一刻でも、不愉快なことは覚えなかった。