Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「むずかしいのう」

「兵馬を費うことを考えれば、そのくらいな労は、何ほどでもありますまい。必定、受取った韓遂も、一体、何だろうと、おどろき怪しんで、きっとそれを、馬超の所へ見せに行くに違いありません。ここまで来れば、はや計略は、成就したも同じことです」

二

その後、馬超は、腹心の男をして、ひそかに、韓遂の陣門に立たせ、出入りを見張させていた。

「今夕、またも、曹操の使いらしい男が、韓遂の営内へ、書簡を届けて立ち去りましたが?」

腹心の者から、こう報らせがあったので、馬超は、

「果たして!」と、自分の猜疑を裏書きされたものの如く、夜食もとらぬまに、ぷいと出て、韓遂の陣門を叩いた。

「何事ですか、おひとりで」

韓遂は、驚いて迎えた。休戦中ではあるし、幾分の寛ぎもあって、晩餐に向っていたところだった。

「いや、急に戦いもやんで、何やら手持ち不沙汰だから、一盞、馳走になろうかと思って」

「それならば、前もって、お使いでも下されば、何ぞ、陣中料理でもしつらえて、盞を洗ってお待ち申しておりましたのに」

「なに、こういうことは、不意のほうが興味がある。ひとつ貰おうか」

「恐縮です。