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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

二

その主人なる男は日頃、孔融と仲のわるい慮だったから、早速、曹操にまみえて、輪に輪をかけて讒言した。

二

些細なことをとらえて、棒ほどに訴える。

そして、主たる位置にある人の誇りと弱点につけこむ。

讒者の通有手段である。

そんな小人の舌に乗せられるほど曹操は甘い主君では決してない。けれど、どんな人物でも、大きな組織のうえに君臨していわゆる王者の心理となると、立志時代の克己や反省も薄らいでくるものとみえる。人間通有の凡小な感情は、抑えてのないまま、かえって普通人以上、露骨に出てくる。

無能な小人輩は、甘言と佞智をろうすことを、職務のように努めはじめる。曹操のまわりには、つねに苦諫を呈して、彼の弱点を輔佐する荀のような良臣もいたが、その反対も当然多い。

「どうも孔融は、丞相にたいして、お怨みを抱いているようです。……昨夕も退庁の際、ひとり言に、不仁を以て仁を伐つ、敗れざらんや――などと罵って帰りましたし、日頃の言行に照らしても、不審のかどがいくらもありますし」

讒者は、弁をふるって、日頃から胸にたたんでおいた材料を、舌にまかせて並べたてた。

「――いつでしたか、丞相が禁酒の法令を発しられましたときも、孔融は笑って、天に酒旗の星あり、地に酒郡あり、人に喜泉なくして、世に何の歓声あらん。