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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme

Aozora Bunko

とそこへ来たのは、お延であった。洞門の権右は意外な顔をして、

「姐御、こいつあ今日……」

と云いかける口を押えつけて、

「お黙りよ! お前たちは引ッこんでおいで」

とお延の寄りもつかれぬような血相に、玄蕃も苦虫を噛んで身を退いてしまった。

「お延、わりゃあ何で男のすることを止め立てする」

と雨龍太郎はきっとして彼女を咎めた。

「いけませんか。私の恩人だから止めたのが悪うござんすかえ?」

「何? われの恩人だと。そりゃどうした訳だ」

「いつかお頭領にも話したことがあるじゃございませんか――去年舞鶴へ行った時に、私が路銀を落して帰れなくなったところを、名も所も云わず貸して下すったその時のお侍様というのは、そこにいる方なんでございます」

「ふーむ……」

と雨龍は新九郎を見直した。お延はその猜疑の目を紛らわすように彼の傍へ摺り寄って、白い顔を遮らせた。

「ねえお頭領え、私にとってはそうした恩のある方なんです。事の間違いで手下の一人や二人傷つけたかあ知りませんが、何も居候の侍なんかに嬲り殺しにさせなくったって、いいじゃあありませんか」

と玄蕃の方へは、余計なことをと云わぬばかりの流眄を見せた。