Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme

Aozora Bunko

七

「今年はあの地方の飢饉とやらで、いやはや散々な悪首尾でござりました」

と甲賀房、河内房の二人が、審さに実況を告げて、その後のこと、

「して大先生の方の受持はどうでござりますな」

「されば、ほかの所はやはり思うように参らぬが、唯一軒、ここという金のなる木があるのでな……まずザッとこれ程じゃ」

と笈の中の包みを開いて、五ツの封金を並べて見せた。

「え、御方一人で五百両のご寄進でござるか」

「さればよ、覚明の腕で取るのじゃ……」

と魁偉な容貌に、いやらしい笑みをニタリと見せた。二人の弟子はすぐに、

「あああ、さては強請ったな……」

と胸に頷き合った。

光子の御方が、京都綾小路の有名な剣客、長谷川宗喜から、小太刀の妙髄をうけたと評判のあった頃、ある行き懸りから大円房覚明の道場へ手合せに来たことがある。その時、覚明は例の不可思議な戒刀の秘術をふって、光子の御方を悶絶させた。のみならず、後の介抱に事寄せて、御方の体を自由にした。ということを、この二人だけが薄々知っていた。

「覚明様、妾でござります。それへ参りましても大事はござりませぬか」

そこへ不意に、御方の声が障子の外でしたので、覚明は慌てて金を隠し、居ざんまいを直した。