Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme

Aozora Bunko

五

姿は細く、肩は円いが、髪は切下げであるし黒小袖に大小の男姿、打ち見たところ、優しい武家という形。

ニヤリと、独りうなずいた御方は、一足おくれて裏口から、こッそり闇の中へ紛れて行った。

五

一方、程もなく、扇屋の門へ着いた二挺の駕。

こんがらとせいたかは、すぐ湯女に案内されて奥の一間へ通る。ここは当時の出合茶屋を兼ねた遊び風呂で、四、五日前から、そこに耽溺している新九郎は、屏風囲いのむッとするような酒の香の中に独りで杯をあげていた。

「兄哥、随分人に気を揉ませるじゃねえか、こんな所に潜り込んでいるんだもの、いくら探したって分りッこはありゃしねえ」

「おおこんがらにせいたかか、飛んだ苦労をかけて済まなかったが、これにはまた仔細もあること、まあ一杯やりながら聞いてくれ」

さすがに新九郎もやや決まりが悪そう。そこにいたのは彼一人であったが、部屋の隅には、女柄の湯上がり着がしどけなく脱ぎ捨ててある。それを見ると、二人の方がちょっとてれて、

「御方様の前へは気咎めがして、一人じゃ帰り難いから、連れて帰ってくれという一件でしょう」

「いくらこの新九郎が腐ったからといって、そう安ッぽく拙者を見縊るな。