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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme

Aozora Bunko

二人は舅の仇を尋ねる者で、永い流浪の生活に困じ果てている身だというようなこと。仇が江戸にいるという手がかりを得たが、路銀もここへの払いも尽きたので、ふと、大望を果したい一心で、怖ろしい出来心に駆られたというようなこと――それはまるで、嘘でこね上げた哀れッぽい詭弁を武骨純朴な鐘巻自斎は、すッかり信じて二人の罪をゆるして懇々の諭しを与えたばかりか、五両の金まで恵んだ上、密かに居室へ帰してしまった。

危ない命拾いをした二人は、定めし後で、擽り笑いを洩らしたろうが、鐘巻自斎自身は、若い男女を、危険な十字路から救ったように愉快であるらしかった。そして彼は、夜が明けるか明けないうちに宿を立って、朝霧の大津の町を、湖水に沿って歩いていた。

と、この朝早くから、もう宿次の駕、飛脚屋などが、雑鬧している立場の茶店から、じッと異様な眼で、自斎の姿を見るより、軒を離れて突ッ立った旅姿の男がある。

四

脚絆素わらじ、銀の脇差の一本落し、身軽に裾を端折って、背中へは、桐油紙でくるんだ細長い物を、斜かいに背負い込んでいるが、長さ、反り工合からみて、中身の品は確かに刀らしく見える。