Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme
花旋風両面の夜叉
一
「まだか! まだ追い着かぬか。駕の者たちは何していやるのじゃ、御成街道で四、五町ほどの隔てしかなかった先の群へ、いつまで意気地なく駈け寄れぬのじゃ!」
これは焦心る方が無理である。下情のことに通じぬ人とすれば無理はないが、こなたは急ぐに不利な女駕であるし、先のは、飛ぶべく軽快にできている四ツ手駕。しかもそれには、敏捷な黒装束の若武士が、九人も駕わきの翼となって、駈ければ駈けるほど勢いよく行くものを、どうして、重い塗棒の女駕が事急に、四、五町の幅を追い縮められる訳のものではない。
ましてや、彼の群へこの女乗物の棒先を突ッかけろ、というような、御方の注文はすこぶる至難だ。それに引き更えて先の方は、さのみ焦心りもせず疲れも見せず、また御方のような追手があるのも無関心の態で、たちまち護持院ヶ原を走り抜け、やがてもう牛ヶ淵の濠端から、富士見坂の上り勾配へ差しかかろうとする。
と、変はいつも不測な所から起る。――後ろから来る御方の喧嘩仕掛けより早く、不意に足もとの物蔭から、バラバラバラッと躍り出した二人の男が、いきなり深見重左の駕先を押し返し、ただ事ならぬ勢いで、