Japanische Klassiker mit Furigana
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme
「したが、その分ではいまだに作左衛門を討った仇にも巡り会わぬものと見える。どうじゃ、仇討本懐を遂ぐるのはまだか、よそながら、予もその吉報を明け暮れ待っていたのであるぞ」
「殿――」重蔵は思わず膝行だした。
「その仇大月玄蕃は、今図らず追い詰めてお供先に捕われましたあの浪人でござります。何分、お取計い下し置かれますよう……」
「何と言やる、ではあの浪人が仇大月玄蕃であるとか、ウウム……成程、過ぐる年桔梗河原に於いてそちと試合を致した京極家の指南番、たしかに予にも覚えがある。こりゃ、其奴を遁さぬように縛め上げて屋敷へ引っ立てい」
「あッ――」
玄蕃は、胆を天外に飛ばして逃げかけたが、たちまち八方からふり出された六尺棒に脛を払われてドスーンともんどり打ってしまった。
忠房は、小気味よげにそれを見やって、
「駕を上げい」
「はっ」
――行列は再び水のように流れ出した。
千浪と重蔵は、ややしばらく路傍に踞まったまま、殿の行列を見送っていたが、やがて、駕わきを離れた一名の家来が走り戻って来て、
「もしご両所、七日の後に愛宕のお下屋敷へそッとお越しあるようにと、殿より密かのご内意。