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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme

Aozora Bunko

で、御方は寮を失ってから間もなく、この人目離れた茶室に身を落着けていたのである。

それはいいが、御方は例の強い執着で、火事の夜に別れた新九郎の居所を一心に探させた。新九郎は相変らず酒から酒へ飲み歩いていた。そして、御方はまたやすやすと新九郎をこの愛宕の草深い隠れ家へ連れ込んでいる。

現に、今も大小を枕にして、次の部屋に酔い伏している男は、その新九郎なのである。

「まあ……」御方は当惑の舌うちをして、

「あれ程、妾のいることは密かにしていたのに、どうして尋ね当てたのであろう」

「そう言えば四、五日前、大奥の者らしいお方が、しきりと垣の周りをうろついておりましたゆえ、お妹君様もお行方を案じて、懸命にお探しなされていたものでござりましょう」

「とにかく、妾は今の体で妹に逢いとうない、ここにはいないと言ってよいようにして帰して賜も」

「あ、でも、もうこちらへズンズンお入りなされてしまいました」

と、弥平が狼狽ている間に、池の八ツ橋の上からお通の方が、

「おう、お姉上さま……」

と声をかけてしまった。御方も身を隠す暇がないので、ツイと縁先へ出て座敷の障子をピタリと閉めながら、