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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme

Aozora Bunko

溝口伊予は烈火の如く怒って、再びそこへ引っ返し、激しい声で呶鳴り立てた。

「やあ心得ぬ仕打ち、如何なるわけで狼藉者を匿い立てなさる。吾々は京極丹後守の家臣、尋常にその者をお渡しなさい」

すると、松平家の者もまた、門の中から声に応じて、

「いや、断じて渡すことは相成らん。いつまでもその辺にまごまご致していると、龍吐水を浴びせかけるから左様心得ろ」

「おのれ、無礼な挨拶、強って渡さぬと申すなら、宮津七万石の威光をもっても、必らず下手人を申し受ける手段をとるがどうじゃ」

「おお面白い、宮津の城主が何者だ、ご当家たりとも関ヶ原以来いまだかつて武門におくれを取った例しのない松平家。どんな手段でも勝手にとって参るがいい」

「ウーム、よくも広言を吐ざいたな。きっと出直した上にはこの下屋敷を踏み潰してくれるから覚えておれ」

溝口以下の者は、足摺りをして口惜しがったが、手負いを交ぜた七人の小勢では、何とも施す術もないので、捨科白を言い残したまま駒を返して引き揚げてしまった。

二

春日新九郎ただ一人のために、麹町の上屋敷を荒された上、玄蕃の首を掻かれて見事に鼻を明かされた京極家の家中が、溝口伊予たちの帰邸と共に、一層激昂したのは当然であった。