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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme

Aozora Bunko

足こそ不自由なれ、その昔は大月玄蕃に対峙した重蔵の切ッ尖、息をつく間もない上に、新九郎は兄がその足をつまずかせてはと思い、間違って怪我をしてはとハラハラしながら避けているのでたちまち木の根へ追い詰められ、かえって自分が蹌けたところへ、いきなり重蔵が躍りかかって、彼の倒れた上へ馬乗りになってしまった。

「これッ、弟――」

重蔵は左手でしッかと新九郎の喉首を抑さえ、右手に剣の切ッ尖をピタリと向けた。

「眼を開けい……眼を開けてこの切ッ尖を見ろ! そちの迷夢を醒ましてくれる」

「兄上……」

喉を締められながら、下から蒼白い顔を向けた。

「か、観念仕りました……ご成敗下さい」

「ウム、覚悟がついたか」

「千浪殿を他家へ縁づけて下さいまし。兄上にもご壮健に……もう心残りはござりませぬ」

「よく申した、今生の別れに兄の面をよく見ておけよ」

「はい……」

今ぞと見上げる弟の眸と、兄の眸とがジイとみつめ合った刹那――

逆手に持っていた重蔵の大刀が、キラリと光を動かしたかと思うと、新九郎の顔から胸板へかけて、サッと鮮麗な血潮が流れた。

四

新九郎は玉の緒のきれた現を覚えて、流るる血をわが血かと感じたが、同時に、吾にあらぬ苦悶の声がしたので、はッとおどろいて身を動かすと、跨っていた兄の重蔵が、脇腹に大刀の切ッ尖を深く突き入れたまま蹌りと倒れ