Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme

Aozora Bunko

と物語った。新九郎は戸川志摩の大胆さに愕かされたが、危地を救ってくれた恩人の目的に、何とか自分も力を添えたいと思った。

「それは容易ならぬご使命でござります。ところで如何でござりましょう。拙者は丹波浪人の春日新九郎と申す者、武芸未熟を恥じて修行の旅に出たばかりの者でござるが、その山荘の探索にご同行下さりませぬか、及ばぬながらも唯今のご恩報じ、二つには、大きな修行ともなろうと存じまする」

「そりゃ願うてもなきこと、同藩の者には臆病者ばかりにて、誰一人同行致そうと申す者もなかったが、今そこもとがご一緒にお出で下さるとあれば百人力の強みでござる」

と戸川志摩も大いに欣んで、万事をそこで諜し合せ、やがて二人は道中の道づれでもある如く装って斑鳩嶽の麓へ辿った。

×

「おい仙太! まだ見えねえか」

と山袴に蔓巻の刀を打ッ込んだ、八、九人の荒くれ男が、五ツ抱えもある杉の大樹を取り巻いてさっきから二度も三度も叫んでいた。

「まだ影も見えねえ!」

とその返事は、数丈上の梢の天頂から下へ投げられた。

「不思議だなあ。やい五介、てめえは確かにその六部と侍が麓へかかったのを見たのか」