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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「おおウーッ」

と続いて六部姿の戸川志摩は、無反の戒刀を平青眼に取って、玄蕃の大上段の手元へジリジリと詰めて行った。

有馬兵部少輔の内命をうけて、単身この山荘を探りに来たほどの戸川志摩だ。充分腕に覚えはある。大月玄蕃も心密かに、油断ならじと思ったか、迂濶にこの太刀は振り下さず、心気を凝らして志摩の隙を狙っているが、鵜の毛でついた隙もない。

その正面の一室から、二人の勝負を見詰めていた雨龍太郎も、侮りがたい志摩の腕前に万一玄蕃が殪されでもしたら、野に虎を放したも同様、その場を去らせず斬り捨てねばならぬと、大刀を側へ引き寄せて、縁先まで座を進め、洞門の権右衛門へもチラと目くばせしておいた。

その途端に、えいッと一声、いずれから打ち込んだか、玄蕃と志摩の剣と剣が、激しく火花を散らして上下に斬り結び出した――と見る間に玄蕃の斜め下しに捨てた太刀を、ひらりとかわした戸川志摩は戒刀の切尖鋭く一文字に玄蕃の胸板目がけて突き込んだ。

間髪さっと手元へ引いた玄蕃の太刀は、それを鮮やかにチャリンと払いのけたが、虚をすかさず続いてもう一歩、踏み込んだ志摩の高嶺構えに振りかぶった戒刀が、玄蕃の真っ向へ行くよと見えたので、玄蕃も素早くポンと二足ばかり飛び退いて、八方構えの青眼堅固に取り直すと、戸川志摩は何思ったか、それへは斬り下さ