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Japanische Klassiker mit Furigana

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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme

Aozora Bunko

夜あかしには立待と称して、夜更けて月の昇るまで坐らず腰かけず、または瀬待といって必ず流れ川の岸に立って待ち、または迎待といって月の出る方角へ、月の出るまで歩行をつづけるなど、苦行を信心のうちに算えていたのは、以前の物忌が形を変えたものと思われる。それでいてこの信心な女たちが、なおさまざまのおしゃべりを止めなかったのは、これも祭の夜に神の尊さを、話の種にしていた風習の引続きとも見られる。

そこでおしまいに路傍の石の二十三夜塔と、この夜祭との関係を言うならば、これも農村に文字のなかった時代には、石屋は頼まずに村の人が寄合って、土を運んで来て塚を築いていたもので、多分はそこに簡略な藁の仮小屋を作り、その中に集まって祭の夜籠りをしていたのである。近頃では講の幾まわりかが滞りなくまわった後、または何かあらたかな御利益のあった際に、記念の意味を以てこの石を立てる者もあるらしいが、もとは月待に人が集まるのがこの場処であった。

東京から遠くないある海岸の砂山に、私は小さな家をもっている。一度秋の末にそこへ行って見ると、庭の草原が何だか取散らかっているので、不審に思って聞いて見たら、そこは私の家が出来るよりも前から、村のお婆さんたちが三夜様を拝みに、集まって来る場処だったということが判った。