Japanische Klassiker mit Furigana
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ひのとびら
火の扉
岸田 国士
Lesen Sie 火の扉 (ひのとびら) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.467 Zeichen · 257 Bildschirme
二
「その通りですに」
と、彼女は平然として言い放つた――
「しかし、そのことは別にきようの事件と関係はないじやないですか。わしの受持だからいうじやないですけど、あの生徒を、大きなもんが寄つてたかつてかまうなんて、まつたくひきようですに。生意気かどうかは、見る人によつてだと、わしは思います。軍人の子だということが、あの子の罪ですかしら? お前のお父ッつあんは、戦争に負けた軍人じやないか! 悪いことをして威張つとつた軍人じやないか! 戦争犯罪人の子、やあい! こう言つてはやしたてたのは、いつたいだれでしよう? あなた方の教え子ですに。わしども長い間教えた子ですに。井出は、教員室を出ると、泣いて家へ走つて帰りました。わるさをした子供たちは、あの通り、まだ校庭で芝居のまねをしとるじやありませんか!」
ひと息に、しかし、落ちついた調子で、ところ/″\力をこめてまくしたてる北原ミユキの声は、だん/\ふるえを帯びて来た。
二
「北原君の意見も一方的さ。結果だけをみればそうもいえるけれども、子供たちの正義感は単純なところに面白味があるんだに。軍閥を呪う民衆の健康な精神が、そのまゝ幼稚な表現のなかに働いてるんだ。